こんばんは。
今回は、日本の公営競技のほとんどで採用されている、パリミチュエル方式について、簡単に考察したいと思います。
中央競馬も、パリミチュエル方式によってオッズ、払い戻しが決定されています。
馬券ファンの方には周知のことだと思いますので、あしからず。
なお、以下は個人的な考えであることを予めご了承ください。
まずは、パリミチュエル方式について、Wikipediaから引用します。
パリミュチュエル方式(パリミュチュエルほうしき、Parimutuel betting)とは、公営競技における投票券やロトなどの配当を決定する一つの方法である。
投票券の総売り上げをプールし、興行主はそこから一定割合を差し引き、残りの金額を勝ち投票券に配分する方法。
パリミュチュエル方式では、まず販売所において自分の予想となる券を購入。この時点において配当はまだ確定していない。そして購入額を全てプールする。その後、レースや抽選を行い当選の番号と当選者が確定する。この時点でプールした金額から、主催者収入として所定の割合(控除率)が差し引かれて運営費などの経費に充てられ、残りを当選者で分配する。
売り上げの額に比例して主催者収入が大きくなる仕組みであり(比率は予想方式などにより異なる場合もある)、主催者収入がマイナスになることはないものの、日本の地方競馬で多く見られるように十分な収入を得られていない事例も見受けられる。
日本では1888年(明治21年)横浜外国人居留地内のニッポン・レース・クラブでパリミュチュエル方式の馬券が発売されている。ただし当時の日本では馬券は非合法であり、馬券が発売されたのは横浜外国人居留地と いう特殊事情下の為である。一般の日本人向けに馬券発売が黙許(公認ではない)されるのは1906年(明治39年)からの2年余りで、それもすぐに禁止さ れ、正式に馬券発売が認められたのは1923年(大正12年)である。現代の日本の公営ギャンブルではどの団体・競技でもパリミュチュエル方式を採用して いる。
ちなみにですが、的中者がいない場合の扱いに関しては・・・
的中者がいない場合に、全購入者に対し控除率相当分を差し引いた額を払い戻す制度である。
日本の公営競技で一部(後述の繰越制度を導入している場合)を除き用いられている方法であり、投票券を発売したレースのある賭式において的中該当者 がいない場合、その賭式で投票券を購入した者全てに特別払戻金として1口(100円)につき70円または80円の払戻し(通称・特払い)が行われる。なお、特払の金額は1口(100円)に対する控除率(日本の公営競技では概ね70 – 80%。主催者や賭式により異なる)に基づき控除額を差し引いた残額から10円未満の端数を切り捨てて算出する。
発生の頻度は高くないものの、組み合わせが多い競馬での三連勝式馬券や売り上げの少ない競艇・オートレースの単勝式・複勝式舟券(車券)などで見られる(競輪は現在単勝式・複勝式を発売していない)。中央競馬は1971年に福島競馬場で単勝式の的中者がなく発生したものが最後の記録となっている。
レースが不成立となった場合(全競走対象が完走できなかった場合や、競艇で5艇以上がフライングした場合など)や、完走が少なく的中となる組み合わせが存在しなくなった賭式(完走した競走対象が2つ以下であった場合の3連複・3連単など)の投票券は券面金額を全額返還する。
・・・ということで、たまに見かける3連単などでの、百万、千万オーバーの超万馬券、本当に当たってる人なんているのだろうかと思ったことがありますが、毎回、必ず的中している人が存在するんですね。
余談ですが、ヨーロッパなどでは、競馬はブックメーカー方式をとっていることが多く、日本とは事情が異なるようです。
さて、こと予想、馬券ということを考える時に、パリミチュエル方式であることを念頭に、重要なポイントがあると思っています。
まずは、
>投票券の総売り上げをプールし、興行主はそこから一定割合を差し引き、残りの金額を勝ち投票券に配分する
なんといってもここでしょう。
乱暴な言い方をすると、外れ馬券に費やされた金額が当たり馬券に(一定割合=胴元の取り分=控除率分、を除いて)全て流れるということです。
一定割合というのが、控除率のことで、JRAであれば、控除率は、単勝・複勝は20%、枠連・馬連・ワイドは22.5%、馬単・3連複は25%、3連単27.5%、WIN5は30%となっています。
他のギャンブルの控除率を見てみると、一般的には、ポーカー、ルーレットなどは概ね5%程度とされることが多く、バカラは2,3%程度とされることが多いです。
見比べてみると、我が国の公営競技は、ぼったく(ry
ということで、競馬において、控除率の壁を打ち破って、収支がプラスとなる100%以上の回収率に持って行くのは、数あるギャンブルの中でも、ちょっとやそっとではいかない部類と言えます。
しかし、何故、ここまで大きな控除率を設定してあるのでしょうか。
下に見るように、ビギナーズラックをたくさん発生させ、多くの人に「当たった!」「儲かった!」という体験をさせたい=人を集めたいのであれば、控除率は低い方が効率が良さそうな気もします。
恐らく、ここがポイントです。
ポーカー、ルーレット、バカラなどの比較的単純なギャンブルと競馬が決定的に違う点、これが重要だと思います。
それは、競馬の場合、多くの人間が、何らかの多様な事前情報を元にベットしているということです。
ここに控除率の壁を打ち破る最大のポイントがあると考えています。
逆に言うと、ポーカーなどの比較的単純なギャンブルが、控除率5%で“良い”のは、何故なのか。
それは、事前情報が単純であるが故に、(多分いるであろう一握りの熟練者、天才ギャンブラーを除いて)ほぼ全ての人が、5%の壁を打ち破れないからというのが、一つあるのではないでしょうか。
言い換えると、情報やルールが比較的シンプルなので、その点において工夫できる範囲が狭いため(工夫の範囲が狭いため、シンプルであるが故にとっつきやすいというのもあります)、5%という比較的小さな壁であっても、乗り越えることが難しいからではないでしょうか。
また胴元目線から言うと、ギャンブルを続けてもらうためにある一定の期間、偶然に勝てる人を生み出す必要がありますが、単純であるが故に、控除率を低くしないとそうした「偶然、快を得られるケース」が出にくいからです。
競馬に翻ってみると、スポーツとして取り上げられることがあることからも分かるように、多分に技術的な面があります。
予想という観点から、これを考えると、予想に使うべきファクターが多様であるということになります。
多様である=事前情報が多い=様々なベットをする人が沢山生まれるということです。
そして、オッズというのは、ベットをする人たちによって決まるということになりますから、よく言われるオッズの歪み、つまり適正ではないオッズというのは、適正ではない情報をもとにベットした人たちによって生まれている訳です。
この、多様な、それが故に時として適正ではない情報によって生み出されるオッズ、これこそが、控除率を打ち破る、最大のポイントと考えられます。
では、適正ではない情報によって生まれた、いわば美味しいオッズ、旨味、これをどのようにして見分けるのか、ということが次のポイントとなりますが、長くなってきたので、記事を分けたいと思います。
ちなみに、数学に大数の法則というのがあり、競馬でも見事に適用されるようで、たとえば単勝であれば、ランダムに賭け続けても、一番人気に賭け続けてもいずれ、回収率は80%程度に収束するようです。
しかし、予想によって、その大数の法則で回収率が収束するのを先延ばしにしつつ、回収率を100%以上に“一定の期間”持続することは、可能であると考えています。
もちろん、そのままの予想では、いずれ収束してしまうでしょうが、適宜予想のファクターを考慮することで、いわば延命することが可能、というのが私の個人的な考えです。
これをイメージで表現すると、初めはたくさんの選択肢から実りが豊そうな枝を選んでスタートし、それが回収率100%以上の枝、なのですが、いずれ、枝葉は少なくなっていってしまい、枯れ枝のようになり、終いには、回収率80%という一つの結果に結びついている枝一本、選択肢しか無くなってしまいます。
そこで、枝葉がまだたくさんある内に、別の枝葉を持ってきて、そちらに乗り移る、というイメージで、その最後の帰結に繋がっている枝、選択肢をどんどん回避していく、こんな感じのイメージですw
枝葉あるいは選択肢というのが、予想ファクターのたとえですが、次回の記事では、どれくらい沢山の果実が成っている枝を持ってこれるか、が焦点です。