Categories: 競馬日記

騎手の力はどれくらい影響するか?

こんばんは。

ドステです。

今回は、騎手について、考察したいと思います。

はじめに断わっておきますが、私は乗馬すらしたことがありませんし、ただ競馬を見ていて思ったことに加えて、ネット上や書籍で得た知識を元に考察しているに過ぎませんので、ご了承ください。

馬券を購入する際に、走るのは馬なので、馬の能力を見極めようというのは誰しも考えると思うのですが、馬に乗っている騎手のこともきっと皆さん考慮すると思います。

私が昔聞いた格言では、馬7割、騎手3割の割合で、レースの結果に影響を及ぼすのだそうです。

実際は、その割合というのを細かい数値で可視化できないと思われるものの、皆さんは体感ではどれくらいの割合で影響していると思いますか?

つまり、騎手の実力が、どれくらい競走結果に影響しているのかという。

この辺りは予想の根幹に関わってくる部分でしょう。

私の持論では、まずレースの着順には、確実に騎手の要因が影響していると思います。

ただ、有力馬には有力騎手が配される傾向があるという、エージェントの営業力、馬主・厩舎サイドの意向などがあるため、勝率や連対率などの成績の数字が実力から来るものなのか、そういう裏事情で良い馬(悪い馬)に乗っているから高い(低い)のか、判別しづらい部分もあります。

しかし、そういった雑多な要素を差し引いたとしても、やはりレース結果には騎手の実力が反映されているのではないかと思います。

私の感覚では、馬6割、騎手4割くらいの影響力ではないかと、いや、もしかしたらレースによっては騎手5割くらいいくのではないかと、騎手の力をかなり大きく評価しています。

理由としては、大きく3つ考えています。

一つ目は、レースの展開とペースを読み、作戦を立案する能力です。

レースの展開とペースを読み、作戦をそれに合わせて考えるのは、馬ではなく騎手であるということ。

すなわち、レースが始まる前に展開を読み、どのポジションを取るのか、そしてペースを読んで、どこでスパートするのか、これらを考え(るのは陣営もですが)実行させるのは騎手です。

展開とペースを読む力、これが騎手にとって肝心な能力というのは、よく言われている通りだと思います。

馬の実力が僅差のレースほど、この展開やペースそして作戦如何で勝負が決まるように思います。

特に抜けた馬のいない団栗の背比べのようなレースでは、騎手の展開・ペースを読む力、その上での作戦立案・実行が、結果に大きく影響するのではないでしょうか。

また、この展開とペース読み、そして作戦立案・実行には、自分の馬と他の馬との力関係や、走りっぷりを予め把握して、レースでの走りを予測できる力が必要だと思います。

二つ目は、一つ目と大きく関連するのですが、ポジションを取る、抑える、折り合いをつけるなどの、そもそもの馬の制御技術です。

展開、ペースを読む力、作戦を考える力にいくら長けていても、それを実現できるに足る馬を制御する能力が無ければ、レースで実践できません。

したがって、スタートが上手いとか、かかる馬をなだめられるとか、折り合いをつけるとか、仕掛ける時のゴーサインの出し方とか、進路の取り方、鞭の使い方、手前を替えさせるとか、そういった馬を扱う、制御する能力が重要と思います。

こういう馬を制御する技術に長けた騎手を、ゲートの出し方が上手いとか、馬への当たりがいいとか、馬と話せるとか、長手綱とか、鞭捌きが上手いとか、色々な形で表現されていますよね。

一般的に優れた騎手とは、この制御技術に長けた騎手のことを指すように思います。

三つ目は、馬上での重心移動の技術です。

本来、走っている馬にとって、上に約50㎏以上のものが乗っかっているというのは、邪魔でしかないはずです。

馬の体重が大体450㎏として、我々人間で言えば、60㎏の人だったら、6、7㎏の重しを背負って100m走を走ったり、中距離走をしているようなものでしょう。

それがサラブレッドにとっては日常的で当たり前とはいえ、想像しただけでキツそうで、競走中に怪我をしてしまうのもさもありなんという風に、納得してしまいます。

話を戻しますと、つまり、騎手が乗っているだけで、単純な速さという意味では、走りに悪影響を及ぼしているはずです。

ここで、如何に馬の走りの邪魔をしないか、言い換えると、如何に馬の走りの重心移動の邪魔をしないか、これが重要になってくると思っています。

騎手は、この馬の上での重心移動のプロと言えると思います。

昔、モンキースタイルが圧倒的に速い走りを実現し、スタンダードになっていったというのも、この重心移動に優れていたからではないでしょうか。

展開やペースの読み、馬の制御技術ももちろんそうでしょうが、この重心移動についての技術の巧拙が、各騎手毎にあるように思います。

外国人騎手や地方出身騎手は、特にこの重心移動が上手いように見え、道中はもちろんですが、特に最後の直線でそれが発揮され、いわゆる追える騎手という感じがします(道中も各騎手重心移動で如何に馬に余計な力を使わせないか苦心しているように見えます)。

特殊かもしれませんが、岩田騎手に代表されるような、あの直線でお尻をトントン鞍に付けるような騎乗が、特に目立ちます。

あの追い方は、鞍にお尻がついた後の一瞬に一完歩がぐいっと伸びているように見えるくらい、最後の脚を伸ばしている時があります。

なぜあそこまで、瞬間的に伸びているのかは、私には分かりませんが・・・。

あの、トントンと鞍に当たることが、何らかの物理的な補助(刺激・負担)に繋がっているのだと思われますが、良く分かりません。

また、馬の背中を痛めるとか、故障に繋がりやすいのでは、とも言われていますから、やはり何らかの物理的な負担を馬にも強いているのかもしれません。

しかし、勝負という観点からすると、見た目にもはっきり分かるくらいに伸びているのであれば、当然勝敗に直結するわけで、馬の勝ち負けが死活問題となる馬主や厩舎から騎乗依頼されるのも分かるというものです。

外国人騎手も、あそこまで極端ではないにしろ、腰を落とす動作(というか体全体と言えるのかもしれません)で重心移動を行い、特に先行馬を粘らせるのが得意なように見えます。

これは、もしかしたら、欧州ではロングスパート、米国では先行しての粘り込みというのが、勝ちパターンとして多いという、地域の個性が出ているのかもしれません。

その個性というのは、日本の地方競馬も先行有利ということで共通点がありますので、そういった馬を粘らせる勝ちパターンに騎手が適応する過程で身に付いた追い方なのでしょう。

最初、私はあのような激しいアクションを見て、むしろ馬の重心移動の、つまり走りの邪魔なのではないかと思ったのですが、結果を見るにつけ、どう考えても、馬の走りの扶助になっています。

激しいがむしゃらなアクションに見えて、その実、馬の重心移動の邪魔になることを最小限に抑え、むしろ推進力を増すことに成功しているようにすら見えます。

つまりは、騎手の重心移動の技術によって、馬の最後の脚色が変わる、特にゴール前最後の粘り、もうひと伸びに繋がる、と今では考えています。

他にも色々あるでしょうが、私的には、上記の三つを基準に騎手の実力を考えて、独自にランク付けし、予想に活かしています。

と言っても、基本的にはリーディング順位通り、有名騎手の方たちが巧いのは当然だと思っていますし、レース結果にも大きく影響していると考えています。

dosute

View Comments

  • 騎手の名前見て馬券買うか悩んでしまうこと多いですよね。
    やたら外まわす、妙に出遅れがおおい、騎手にはいろんな癖が、、、
    知名度は低いが技量に光るモノがあり、注目してる騎手はいませんか?
    もしいたら教えて頂けるとうれしいです。
    私のようにメインレースしか買わないヤツには減量若手は「アンタ誰?」ですし。
    ひとつ質問させてください。
    競馬用語で「あたりの柔らかさ」というのがありますよね。
    調べてもコレが具体的にどんな状態なのかどうにもわかりません。
    「あたりの柔らかさ」とは何か?また「あたりの柔らかい騎手」を教えて頂けると
    非常にうれしいです。

  • >だいじろうさん
    こればっかりは、予想のタネですので、簡単にお教えするわけにはいかないのですが、今年の減量騎手たちは、どの騎手も中々の技量の持ち主たちだと思っています。
    減量が無くなってくる前に買う方が、お買い得というのは確かかと思います。
    減量が無くなってしまうと、途端に成績が落ちるというのが、大抵のパターンです。
    特に先行馬が得意な騎手の場合には、その傾向が顕著だと思いますので、今が買い、でしょう。
    その壁を打破できるのであれば、一流騎手へと成長するのでしょうね。
    当たりの柔らかさについては、私も正確には分からないのですが、色々なインタビューや記事から推察すると、足首やひざのクッションのことか、あるいは踵部分で馬に指示を与える際の柔らかさのことだと考えています。
    それが柔らかい騎手ほど、馬が過度に興奮しにくく、折り合いをつけるのが上手い、また、スムーズに馬のスピードをコントロールできる、ということなのではないでしょうか。

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dosute

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